お客様インタビュー04「らくらく青色申告で地域に広がるかんたん申告」

酒田市浜中地区で、地区の青色申告会会長を長年務められている小林さん。農業はもちろん、地区の青色申告の普及についても熱心に取り組んでおられます。
ちょうどメロンがひと段落した時期に、お話をお伺いいたしました。

地元農協の選果場でお話を伺いました。
メロンがひと段落した時期で、広い選果場も静かでした。


お客様のご紹介

小林 隆さん

  • 山形県酒田市で水稲やメロン、根菜類、花卉(ケイトウ)などを栽培
  • おもな出荷先は農協、個人での販売もされています
  • ご本人、奥様と娘夫婦の4人で農業を経営
  • 地区の青色申告会会長を8年間務められています

「使いやすいな」という印象が決め手

SAVE:らくらく青色申告を2017年版からご利用いただき、ありがとうございます。
使い始めたきっかけを教えていただけますか?

小林さん:地区の青色申告会の前々会長がらくらく青色申告を使っていたんです。
そのパソコンを見たときに「あ、これならできる」「簡単だな」「使いやすいな」と感じて。それでわたしも使い始めたんですよ。

SAVE:その前はどのような方法で青色申告をされていたのですか?

小林さん:昭和のころから青色申告会に入っていました。らくらく青色申告を使う前は、他社製のソフトを20年くらい使っていましたが、その時は貸借対照表を手書きでつくっていたんです。
らくらく青色申告はもっと簡単です。地区でも勧めていて、今では60人弱の会員のうち10人以上が使っているはずですよ。地元の農協にも紹介したんです。

注:小林様はじめ皆様のご尽力により、2025年4月現在では約40人の会員様にご利用いただいております

SAVE:ありがとうございます。おかげさまで、地元の農協様から定期的に講習会のお話などをいただいています。

決算書作成にとどまらない、らくらく青色申告のメリット

SAVE:使ってみてよかったことや、もっとこうなると良いという点があれば教えてください。

小林さん:使い勝手がとても良いです。e-Taxを行って65万円の控除も受けていますし、消費税の申告にも活用しています。
せっかくらくらく青色申告をつかっているのだから、65万円控除を受けないと。

償却資産は手計算では無理

小林さん:この浜中地区ではカントリーエレベーターは使わずに自己管理、全部自分で調製して出荷するんです。だからそれらの設備やフォークリフト、コンバインなどの機材費用がものすごくかかります。トラクターだって複数所有は当たり前。違うアタッチメントがついているトラクターを、さらにハウス用と田んぼ用で分けるとか。もちろん田植え機も必要ですし。

SAVE:もしかして、自動で植えてくれる田植え機をお持ちとか?

小林さん:うちが使っているのはGPSでまっすぐ進んでくれるところまで。
でもGPSを使っても急ぐと曲がります。ゆっくり走るとまっすぐ行くのだけど、時間がかかるから面倒です。まあ、曲がったら曲がったなりに植えていけば同じですよ。無理にまっすぐにしようとするから大変になってしまう。

SAVE:そのくらい多くの機械を所有するとなると、紙と手計算では難しいですね。

小林さん:そうです。償却資産の台帳だけで何枚もつくることになりますし、手書きではできないですよ。それに、きちんと償却資産台帳をつくっておけば、修繕費を計上するときの根拠にもなります。

SAVE:なるほど。台帳に載っていない機械の修繕っておかしな話ですものね。

小林さん:そういうことです。しかも修繕費は高いですから。

消費税もきちんと計算

SAVE:消費税計算までやってらっしゃいますか?

小林さん:やっています。ちなみにこの地区の青色申告会は60人弱の会員数ですが、半分以上が消費税の申告をしているんです。そのくらいの収入がないと畑作では生活できません。あとはインボイス対応のために課税事業者になった会員もいます。
それと、田んぼは収入がある程度決まってくるけれど、畑作は変動が大きいです。だから税務署も調査に来ることがあります。以前は6年、7年と続けて来たこともありました。
ですから、適正申告が大切です。

SAVE:らくらく青色申告では、確定申告書等作成コーナーを利用して消費税申告を行う方向けに「作成コーナーにはこのように入力します」という資料も出力できます。
入力間違いを防ぐことができてわかりやすいと好評の機能ですので、ぜひご活用ください。

農業経営を支えるツールとしても活用

SAVE:青色申告をしていて良かったことはありますか?

小林さん:やっぱり特別控除が受けられること。あとは、青色申告をしていれば経営分析ができます。
白色だって今は記帳しなければならない。だったら青色申告のほうがいいです。

SAVE:どのような分析をされるのですか?

小林さん:前年の支出や収入などを振り返ったり、なにをいくら使ったのかということを確認するのも経営分析です。そこから見えてきたことを踏まえて、今年はどうしようかと工夫します。

SAVE:上手くいかなかったことを変えたり、資材の削減などをされるということでしょうか?

小林さん:そうなります。あとは出納帳のメモ欄に入力した内容から支払いの中身も確認します。だからメモ欄への入力も大切になります。
その点で、メモ欄の内容も繰越できるようになったのはとてもよかったです。会員からも要望がありましたから。

SAVE:ありがとうございます。2023年版から対応させていただきました。

小林さん:以前は繰越できなかったから、毎年メモを入力し直さなければいけませんでした。
でも今は繰越できるから、昨年のメモをリストから選ぶだけで今年のメモを入力できます。とても使い勝手が良いです。

農業の事や青色申告の事、地元の話題などを、長年の経験も交えて明るく語られる小林さん。

地区の青色申告会での熱心な取り組み

SAVE:地区の青色申告会で独自の勉強会は行っているのですか?

小林さん:年に何回も講習会をやっていますし、e-Taxのやりかたなどもやっています。プロジェクターを使って皆さんに教えていますよ。まず全体で教えて、自分でやってみなさいと。そうしないと覚えられない。
国税庁の作成コーナーは説明書もあるから、それを見ればできるはずなんです。間違っていたらエラーになるし。

SAVE:それだったらみなさんe-Taxをしようという流れになりますよね。

小林さん:会員のうち40人くらいはパソコンを使って記帳しています。パソコンを使っている会員でe-Taxしていないのは数人だけですよ。あとはみんなe-Taxです。前々会長の時からずっと取り組んでいます。

SAVE:とても指導が行き届いていますね。それにパソコン率も高い。
これだけ地域で一生懸命取り組まれていると、会員さんから相談を受けることも多いのではないでしょうか?

小林さん:ええ。講習会のときはもちろんありますし、電話でも来ます。申告の事だけではなくてパソコンのトラブルも。ちょうどこの時期も中間監査の時期で資料を提出するのですが、パソコンが固まったという会員が何人かいて。

SAVE:よくわかります。アップデートで動かないとか、電源入れたけど点かないとか、久しぶりにパソコンを使おうとするとそういったトラブルがどうしても出てきますよね。

小林さん:常にバックアップをしておけよ。と言っているんです。パソコンは壊れるものだからね、と。

SAVE:おっしゃる通りです。

小林さん:バックアップを取っておけば何も怖くないです。違うパソコンに移せばいいだけですから。

稲作、メロンだけではなく、花卉も盛んな浜中地区

SAVE:保険や共済には加入していますか?

小林さん:今はしていないです。
たしかに畑は良い年と悪い年で大きく変動するけど、メロンが悪かったら後作でカバーしようとしてしまって結局ちょうどよくなってしまう。つい頑張ってしまうんです。そうすると保険金がおりなくなるでしょう。
あとは稲作と畑作両方だとどうしても掛金が高くなってしまいます。だから収入の変動をカバーできるように作物を組み合わせたり、いろいろなことを考えて経営しています。

SAVE:どのような作物が多いのですか?

小林さん:この地域では稲作のほかに水田転作の大豆、畑作、メロン。さらにケイトウ、ストックといった花卉もやっています。メロンはハウスと路地の両方。花卉類はメロンが終わった後。ケイトウも頑張っていますよ。地域独自の品種をつくってます。白いケイトウなんです。

SAVE:ええ?白色のケイトウは見たことなかったです。

小林さん:突然変異の種を拾って、その種から増やすんです。一生懸命、種を拾ってつくっていますよ。

SAVE:すごいです。とても時間と根気のかかる取り組みですね。

松林の間にたくさんのビニールハウスが並ぶ浜中地区。
浜中地区は庄内砂丘の中にあるので、クロマツの砂防林が農地などを守っています。

あとは後継者を育成してバトンタッチ

SAVE:小林さんはご家族で農業を経営していらっしゃるとお伺いしました。

小林さん:ええ、わたしと妻、娘、娘婿の家族4人でやっています。

SAVE:期待の若手がいらっしゃるのですね。

小林さん:今年(2024年)から農家になったんですよ。それまでは勤めで働いていました。
ただ、地域としては高齢化しています。

SAVE:農業について、こだわっていることなどはありますか?

小林さん:この年齢になると、もうないですね。

SAVE:そうなりますと、あとは後継者を見守るほうにまわると。でも、まだまだしばらくは現役で頑張られるのでしょう。

小林さん:これからは若手に任せて、やりたいことがあったらやらせて。わたしは補助、サポートにまわっていきます。新しい作物は娘夫婦のやりたいものをやらせればいいのだから、その方向に向かっていこうと。

SAVE:なにかやりたいことをお聞きしたりはしているんですか?

小林さん:娘は農業をずっとやっているけど、娘婿は今年からだから。まだ修行中。

SAVE:まずは今の経営を安定させてから、というところでしょうか?

小林さん:そうですね。ただ、経営を任せたら申告もやってもらいます。

SAVE:青色申告会の展望としてはなにかありますか?さらに会員を増やしたいなど。

小林さん:やっぱりコンピューター化、全員パソコンで申告するべきです。講習会の時、手書きの人にはあと教えないよと言ってます。まあ、教えますけど。
ほかにもパソコンならほかの農家さんが公開している動画を観て勉強したり、個人出荷の配送伝票を印刷したり、いろいろとできます。

SAVE:私たちも皆様のお役に立てるよう、これからも頑張ります!
とても貴重なお話をありがとうございました!

このインタビューの後も、らくらく青色申告を熱心に広めてくださっています。本当に、ありがとうございます。