電子帳簿保存制度について

納税者の事務負担やコストの軽減などを図ることを目的として、各税法で保存が義務付けられている帳簿書類について、一定の要件下でコンピュータ作成の帳簿書類を紙に出力せずに電子データのままで保存できる制度です。

申請について

この制度の適用を受ける場合は、帳簿の備え付けを開始する日(原則として、課税期間の途中から適用することはできません。)、書類については保存を開始する日のそれぞれ3ヵ月前の日までに、所轄税務署に承認申請書を提出する必要があります。

なお、改正により、令和4年1月1日以降に電子帳簿保存を行う場合は、事前の税務署長の承認は不要となりました。

この場合は、その年分の事業に係る対象の帳簿書類を優良な電子帳簿の要件を満たして電子データによる備付け及び保存を行ったうえで、法定申告期限までに一定の事項を記載した届出書を提出します。

おもな要件

上記を含め、次の要件があります。

  1. 7年間環境維持
  2. 速やかな記帳
  3. 税務署への事前申請
  4. 管理者の設置
  5. 手順書の作成
  6. 手順書の遵守

このような手続きを行った上で、正規の帳簿による記帳を行い貸借対照表を作成することができる場合は、電子帳簿保存制度により最大65万円控除を受けることができます。

まとめ

元々が納税者の事務負担やコスト削減を図ることを目指している制度です。そのため、膨大な帳簿の保管とそれに付随するコストが発生するような場合でない限り、個人事業者が利用するには今のところハードルが高い制度と思われます。

青色申告特別控除の65万円控除を少ない手間で簡単に受けたい場合は、e-Tax(電子申告)による確定申告を行う方がはるかに近道かもしれません。


本コンテンツについて

監修

紺野税理士事務所 (山形県鶴岡市)

参考文献・参考資料

国税庁より

  • 帳簿の記帳のしかた(農業所得者用)
  • 令和元年分青色申告決算書(農業所得用)の書き方
  • 令和元年分白色申告者の決算の手引き(農業所得用)
  • 令和元年分収支内訳書(農業所得用)の書き方
  • 令和元年分所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き 損失申告用
  • 番号法施行規則の改正についてのお知らせ
  • はじめてみませんか青色申告(令和3年5月)
  • よくわかる消費税軽減税率制度(令和元年7月)
  • 各種パンフレットなど

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