青色申告と白色申告の違い

所得額を求める

青色でも白色でも、確定申告のためには事業の所得額を求める必要があります。大まかには以下のように求めます。

所得額
年間事業収入
(売上高や雑収入など)
年間経費
(仕入高や経費など)
各所得控除

このようにして求められた所得額に基づいて、確定申告を行います。

青色と白色の具体的な違い

ここで青色申告と白色申告にどのような違いがあるかを表にまとめました。


青色申告白色申告
対象者 事業所得や不動産所得、又は山林所得がある方
記帳する
内容
売上などの収入金額、仕入や経費などの金額
取引日、販売先や仕入先の名称
税制上の
特典
特別控除
最大65万控除(電子申告などの条件あり) なし
専従者給与
配偶者やその他親族は、適正金額を必要経費 配偶者は最大86万円、その他親族は最大50万円(事業専従者控除として)
純損失の繰越し
翌年以後3年間にわたって、順次所得金額から差引可能 変動所得や被災事業用資産の損失に限り繰越可能
減価償却
通常+特例(少額減価償却資産の一括償却)が可能 通常通り
貸倒引当金
債権残高のうち、一定の割合を引当金として必要経費 会社更生や再生手続きの申し立てなどの再建に限り、一定割合が可能
節税効果
白色申告よりも有利 特別控除はなし
収入保険
制度
可能 (収入が基準収入の一定以下となった場合に補填) 不可
個人版
事業承継
税制
可能 (事業用資産の贈与税・相続税の納税猶予・免除) 不可
作成書類
  • 損益計算書
  • 貸借対照表
    (55万控除、65万控除に必要)
  • 収支内訳書
必要な
帳簿

正規の簿記による記帳

  1. 現金出納帳
  2. 経費帳
  3. 売掛帳
  4. 買掛帳
  5. 固定資産台帳
など

簡易な方法でも可(日々の合計金額をまとめて記載など)
平成26年1月から、原則として記帳が必要となりました。

詳しくはこちらをご覧ください。↓
個人で事業を行っている方の帳簿の記載・記録の保存について(国税庁ホームページ)

申請
手続き

所得税の青色申告承認申込書

青色事業専従者給与に関する届出書(家族に給与を支払う場合)

など

特になし

まとめ

青色申告を行うことで、白色申告に比べて最大65万円の特別控除が受けられるほか、収入保険の利用など、様々なメリットが存在します。ただその分、青色申告は白色申告に比べて申請手続きが必要であったり、きちんと帳簿をつける必要があります。そのため、税理士に依頼している方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、これらは全て自分で行うことができますし、実際に多くの人は自分自身で行っていることなのです。また、手書きでは煩雑な帳簿付けですが、会計ソフトなどを利用することでより簡単にできます。ぜひ、自分で青色申告を行ってみませんか?


本コンテンツについて

監修

紺野税理士事務所 (山形県鶴岡市)

参考文献・参考資料

国税庁より

  • 帳簿の記帳のしかた(農業所得者用)
  • 令和元年分青色申告決算書(農業所得用)の書き方
  • 令和元年分白色申告者の決算の手引き(農業所得用)
  • 令和元年分収支内訳書(農業所得用)の書き方
  • 令和元年分所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き 損失申告用
  • 番号法施行規則の改正についてのお知らせ
  • はじめてみませんか青色申告(令和3年5月)
  • よくわかる消費税軽減税率制度(令和元年7月)
  • 各種パンフレットなど

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  • 税務処理については、各事業者の責任に基づき適切に処理を行ってください。
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